世界で一番高いロレックス トップ5

数ある時計ブランドの中でも、最も高い知名度といっても過言ではないブランドロレックス。高い実用性や、巧みなマーケティングで機械式時計においては、所有者は世界一。堅牢性と需要から、中古市場でもその価値は高く資産時計と呼ばれる時計もあるほど。

この資産時計とも呼ばれるロレックスですが、では一番高いロレックスは?と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで昨年、当記事では最も高値で取引が行われたロレックスからトップ5をご紹介いたしました。さらに、2020年12月に開催されたフィリップスによる “RACING PULSE” (レーシングパルス)での落札結果によって、ランキングの顔ぶれが更新されましたのであらためてご紹介したいと思います。

1位:ポールニューマンが所有していたロレックスのデイトナ。20億円超えで落札。

2017年10月26日。米ニューヨークのパークアベニューショールームで行われた、フィリップス(Phillips)開催のオークションで、ロレックスのコスモグラフ・デイトナRef.6239(エキゾチックダイヤル)が腕時計史上最高額の1775万2500ドル(フィリップス過去最高額)で落札されました。日本円にして約20億2609万円!

ポールニューマン着用のデイトナ
画像:phillips.com

驚愕の落札価格の理由は、このデイトナのオーナーが、3度のアカデミー賞受賞歴を持つ俳優、そしてレーサーなどの顔を持つ大スター、ポールニューマンが愛用したデイトナであったこと。まさしく世界に一つの“ポールニューマンのポールニューマン”が発見され、腕時計のオークション史上、最高額で落札されたのでした。

フィリップスオークション2017年10月26日
画像:phillips.com

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2位:ロレックス デイトナ ユニコーン。約6億4700万円超えで落札。

2018年5月12日、フィリップスがジュネーブで開催したオークションにて、18Kホワイトゴールド製のデイトナ、Ref,6265が出品され、5,937,500スイスフラン、日本円にして約6億4700万円という驚愕の落札価格を記録しました。

ロレックス デイトナ ref.6265 "ユニコーン"
画像:phillips.com

デイトナ ユニコーンが発見されるまでは、手巻きのデイトナには、スチール製と18金、または14金のイエローゴールド製しか存在しないと信じられていましたが、その常識を覆した一本。

出品者は時計研究家のジョン・ゴールドバーグ氏。

ゴールドバーグ氏が手に入れた当初、このデイトナは本体のみであったため、ゴールドバーグ氏がもともと所有していたRef.1507のバークブレスを設置し保管していたました。 このオークションで、デイトナ ユニコーンは、バークブレスとセットで出品されました。

Ref,1507のバークブレス
画像:phillips.com

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3位:ポール・ニューマンのロレックス デイトナ Ref.6263。約5億7,000万円超えで落札。

2020年12月12日。フィリップスによる “RACING PULSE” (レーシングパルス)と題するオークションが開催。この中でポール・ニューマン氏が愛用したロレックス デイトナ Ref.6263が、5,475,000ドル(約5億7千万円)で落札されました。

デイトナ、ポールニューマン
画像:phillips.com

言わずと知れたアメリカの大俳優、ポール・ニューマン氏は、ウォッチコレクター垂涎の手巻き時代のエキゾチックダイヤルを持つデイトナの代名詞でもあります。

そんな彼が1983年に愛妻からプレゼントされ、2008年に娘のクレアさんに託すまでの約25年間に渡って最も愛用したといわれるRef.6263は、エキゾチックダイヤルではなく、Ref.6263の中期にあたるビッグレッドのデイトナ表記を持つブラックダイヤルを持つものでした。

関連記事“RACING PULSE”ポールニューマンが愛用した ロレックス デイトナの落札価格は!?

4位:バオ・ダイのロレックス トリプルカレンダーRef.6062。約5億7,000万円超えで落札。

2017年5月14日。ジュネーブにて行われたフィリップスのオークションにおいて、伝説のRef.6026が$5,060427(約5億7,000万円)で落札されました。このイエローゴールド製のRef.6062は、ベトナムの最後の皇帝バオ・ダイの遺品であり、2002年にもフィリップスのオークションに出品され、$235,000で落札されたもの。このオークションでは、その落札価格が更新されました。落札額は実に前回の21倍。

ロレックス オイスターパーペチュアルref.6062 バオ・ダイ
画像:phillips.com

皇帝バオダイがロレックスに特注したものとして伝えられており、世界で一本だけのref.6062です。

さらにこのモデルRef.6062は、1950年代前半にわずかなあいだ製造されたトリプルカレンダーのうちの一つで、製造数はわずか数百本とも言われている超レアピース。同じ型番というだけでも、状態が良ければ一千万円を超える金額で取引される事もあります。

愛用した偉人・時計ともに、プレミアムな一本です。

バオダイとRef.6062
画像:phillips.com

関連記事バオ・ダイのロレックスRef.6062

5位:ロレックス オリジナルのゴールド製デイトナ REF.6263、ザ・レジェンドが約4億1千万円で落札。

2017年5月15日 フィリップスにて、ザ・レジェンドと呼ばれるイエローゴールドのref.6263 ポールニューマンが約4億1千万円で落札されました。

デイトナ Ref.6263 ザ・レジェンド 3本目
画像:phillips.com

2013年、ゴールドケースのスクリューロックのプッシュボタンをもつref.6263 ポールニューマンが、ジュネーブにて開催されたアンティコルムで初めて公に姿を現しました。そのシリアルナンバーは、2330402。 6263の最初期のシリアルで、アンティコルムでは、“プロトタイプ”銘打って出品がされ、841,300スイスフランで落札されました。

そして今回のザ・レジェンドのシリアルナンバーは、2330529と非常に近い個体。さらにRCOとは異なる、ROLEX OYSTER COSMOGRAPH のレタリングも、作るべくして作られたゴールド製のポールニューマン6263である事を指し示していました。

左:デイトナ ザ・レジェンド 右:オイスターダウン
画像:phillips.com

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補足:デイトナ REF.16516のラピスラズリ文字盤が5位から6位に

2020年7月11日のこと、香港で開催されたサザビーズによる “Important Watches” と題するオークションに
幻のロレックス デイトナ REF.16516のラピスラズリ文字盤が出品され、2,537万香港ドル(約3億5,000万円)で落札されました。

デイトナ REF.16516のラピスラズリ文字盤
画像:sothebys.com

1999年に5本のみが製造されたと信じられているRef.16516の中の1本であり、ラピスラズリ文字盤を持つものとして、おそらくは唯一の存在と考えられています。

Ref.16516はロレックスの三代目の最高経営責任者パトリック・ハイニガー氏の為に製作され、うち4本はパトリック氏から親しい友人に配られたといわれています。

ラピスラズリ文字盤の個体には、裏蓋に ”Pour J-F Gobbi XII 1998” の刻印が有りフランチェスカ・ゴッビ氏に受け渡された時計だろうと考えられています。フランチェスカ・ゴッビは1842年から続く名門時計店、ゴッビ1842の経営一族。ロレックスと長年に渡って良好なパートナー関係にあります。

フランチェスカ・ゴッビ 名門時計店ゴッビ1842
画像:www.gobbi1842.com

関連記事ロレックス デイトナ REF.16516のラピスラズリ文字盤

補足:ロレックス 唯一のスプリットセコンド・クロノグラフ、ref.4113が7位に

2016年5月14日 フィリップスにて、唯一のスプリットセコンド・クロノグラフを搭載したモデルとされる、ロレックスRef.4113が2,405,000スイスフラン、当時の日本円にして約2億6千700万円で落札されました。

ロレックス  スプリットセコンド・クロノグラフRef.4113
画像:phillips.com

ロレックスのカタログに掲載の無いモデルで、連続すすシリアルナンバーをもつ12本のみ製造されたとされており、現在はのそのうち8本だけだが確認されている超希少モデルです。

希少なスプリットセコンド・クロノグラフ
画像:phillips.com

関連記事ロレックス Ref.4113 スプリットセコンド・クロノグラフ

いかがでしたでしょうか?
3位に、ポール・ニューマン氏が長年愛用したロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.6263が加わりました。2020年12月のオークション落札結果によって上位5本の顔ぶれは約5か月ぶりに更新された事になります。

今回ご紹介の時計のように偉人の着用品が高い事はもちろん、古いロレックスでは、製造の初期にしかない仕様や、製造本数自体がきわめて少ないモデルなどが多くのシリーズに見られ、ご紹介した時計のような超高額で取引されることがあります。

タンスの奥底に眠っていたボロボロのロレックスが、希少で“実は高額な時計だった”という事もあるかもしれません。

情報元:sothebys.com、phillips.com ほか

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加藤

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