ワインディングマシーンの影響を受ける部品

関連性の高い記事(別ページ)

時計修理オロロジャイオの石田です。(時計修理オロロジャイオについて
お客様からの修理問合せの中で、ワインディング マシーン(ウォッチ ワインダー)の利用について質問をいただくことがよくあります。

何本か時計をもっていて、時間あわせが面倒。または時計販売店スタッフの方から、自動巻きの腕時計はワインディングマシーンを使用して、よく動かした方が良いといわれたので所有している、または購入を検討している。。。といった内容が主なところです。
また最近では、ウブロやリシャールミルなど付属品のケース自体に自動巻上げ機能がついている場合もあるので、ワインディングマシーンについてよく知りたいという方は少なくはないでしょう。

そこで今回は、時計修理技師のわたしの視点で見た、ロレックスやオメガ等の自動巻き時計をワインディング マシーンにかけておくことのメリットとデメリットをご紹介したいとおもいます。

INDEX 目次

 

ワインディング マシーンのメリット

1:手巻きをする手間が軽減される。

自動巻き上げをおこなうので、おのずと手間は軽減されます。
2本以上の腕時計を所有している場合には便利なツールです。

2:油のかたよりが軽減される。。。?

お客様さまからよせられる「販売店のスタッフさんから聞いた」という内容です。
通常ムーブメントの注油では、部位にあわせて数種類(ベタベタ~サラサラ)の油が使い分けられています。
かたよりが考えられるのはサラサラの油ですが、針先程度の微々たる量で表面張力で張り付いており、あまり考えられません。

3:インテリアとしての魅力がある。

値段もピンからキリまでですが、さまざまなデザインのものがでていますので、コレクションした時計を保管、飾っておくという意味でも楽しみ方のひとつかと思います。

オーバーホール用のオイル
写真のような4種類の油を使い分けます。注油は非常に微量で、オイラーという針のような器具を使用します。
 
 

ワインディング マシーンのデメリット

1:部品の消耗が早まる。

ワインディングマシーンを使用しない場合と比較して、自動巻き機構の部品の消耗が進みやすくなります。
自動巻上げ機構は手に着けているだけで作動するため、部品に遊びが無くてはなりません。そのため部品に負担がかかりやすい部分です。

2:ノーメンテナンスの場合、部品の摩耗・劣化をさらに早める。

長期ノーメンテナンスで、油切れのままワインディングマシーンにかけ続けると、自動巻き機構をはじめ時計全体の部品の摩耗・劣化が著しく進みます。
歯車の軸受けや台座をはじめとした、一般に流通している消耗しやすい部品交換の範囲では対応ができなくなってしまうこともあります。

3:手巻き機構まわりの油が固まる恐れがある。

手巻きを行う機構の部品には重め(ベタベタ)の油が使用されています。ワインディングマシーンの使用によって、リューズによる手巻き機構の駆動頻度が減ると油が固まってしまう恐れがあります。

 
自動巻き機構や軸受け
写真左が自動巻き機構。写真右の赤い箇所が歯車の軸受け。この部分に油が刺さっています。
 

 

ワインディングマシーンの必要性は?

定期的なメンテナンスを前提に使用すれば、時計に対する悪影響は低いといえます。が、必要ではありません。
本来なら身に着けていない間も駆動させてしまい、部品に負担をかけてしまうのであまりおすすめいたしません。

ワインディングマシーンは便利なツールかもしれませんが、時に自分の手で時計を調整してあげることで、些細な調子の変化にきづいてあげることもできます。

自動巻き腕時計は、頻繁に巻き上げる必要もなく、1ヶ月に1回ほど時刻合わせをするなどして動かしてあげていれば、機械内部に悪い影響は出ず心配はありません。時刻調整が負担でない方はなるべく使用をしないことをおすすめいたします。
使用をされる方は油の変質が始まるといわれている3~4年を目安に定期的なオーバーホールを欠かさないことをお薦めいたします。
 
自動巻きの腕時計の不具合について、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

以下よりロレックスの修理事例と、見積もりをご覧いただけます、ご参考ください。
作業・見積もり事例へ

【時計修理専門店オロロジャイオ】

The following two tabs change content below.
石田

石田

所属:株式会社Altomare/担当:修理サービス アンティークウォッチから高級ブランド時計まで、腕時計の修理に関する情報をおとどけいたします。

関連記事

ブライトリングのオーバーホール時期なら! 並行品でも安く修理するコツ

パネライのオーバーホール、修理でよくあるご相談と対応料金。

お勧めのアンティーク時計 オールドインター(IWC)

時計のベルト交換や購入の注意と、おすすめの素材。

アンティークロレックスを日ロレでオーバーホールする際の注意

アンティークロレックス おすすめモデル。修理技師の観点でご紹介!