「今、時計のオーバーホールをお願いすると、期間はどのくらいかかりますか?」
お客様からの問合せで、金額に次いで多い質問が期間に関するものです。

オーバーホールは、ご依頼から見積もり・作業・点検・必要に応じて部品の手配などに日数を要します。期間がどのくらいかかるのかというと。。。

INDEX 目次

腕時計のオーバーホール期間は?

一般の修理会社のオーバーホール期間は、およそ1カ月となります。腕時計の種類やコンディションによって、かかる日数は更に日数を要することがあります。

今回は、修理依頼の多いロレックスを例に、何にどれだけの日数がかかるのか、ご紹介したいと思います。

TIPS:日本ロレックス オーバーホール期間は?
メーカーでの見積もり・オーバーホールは、サービスセンター持ち込みで1カ月半から2ヶ月前後で、期間はほぼ当店と変わりませんが、オーバーホールのみの対応となる場合、当店の方がコストを小さくすることができます。
なお、正規販売店などの時計店を通してメーカー依頼をすると、前述よりも期間は更に長くなります。
日本ロレックスでのアンティーク修理記事もご覧ください。
アンティークロレックスを日ロレでオーバーホールする際の注意

ロレックス オーバーホール、工程別の日数

実作業のおよその日数をご紹介いたします。なお、各工程は、連続して行うのではなく、ある程度本数がまとまったタイミングで行うため、工程の間に数日入ることがございます。

見積もり 期間:およそ3営業日~2週間

見積りには通常1週間前後、混雑状況している場合は~最大2週間前後いただいております。


時計の傷や状態の確認

時計の預かり時の状態の確認

期間:1営業日

まず預かった時の状態チェックをします。動作の有無、正常操作できるか、外装の傷はないかなど。これらをデータとして登録します。


時計修理見積もり

オーバーホール見積り作業

期間:1営業日~

不具合カ所の確認の為、一部を分解して状態を判断します。

アンティーク時計や部品流通のない特殊モデルは、すべて分解したり、部品を使用できるか洗ったり直したりして判断します。
そのためさらにお時間をいただく場合がございます。


時計部品の在庫確認

部品交換が発生する場合は業者確認

期間:通常1週間ほど(海外・複数社通す場合は更に要する)

分解して、部品交換が必要となる場合、部品が確保できるか、在庫があるか、いくらになるのか業者に問い合わせます。
部品業者への問合わせは、複数点まとめて行いますので1週間を超えてしまう場合もございます。

海外問合せが必要な場合や、複雑・希少な時計、状態が悪い時計などは、業者確認のお時間を通常よりも長くいただきます。

見積もり連絡、お客様からのお返事 期間:–


見積もり連絡

見積もり完了後、お客様に連絡をいたします。
オーバーホール見積りのご承諾をいただきましたら作業に移ります。

部品業者への発注・到着 期間:およそ1週間~2週間


時計部品の発注

作業のご承諾後、部品交換が必要な場合は業者に発注します。部品がそろったものから順番にオーバーホールを行います。

部品は複数点まとまってから注文をいたします。また部品によっては入荷に時間がかかる場合もございます。

オーバーホール 期間:およそ1営業日


時計のオーバーホール

機械のオーバーホール作業は1日で終えることができます。

ただし思わぬ部品不良や修理が発生した場合は、一旦作業を止める場合がございます。

外装修理・研磨など 期間:およそ1営業日


時計の研磨や外装修理

機械のオーバーホールを終えたあとは、外装に関連する作業を行います。
洗浄や研磨、ベルトの修理などを行います。

点検 およそ1週間~2週間

機械、外装ともに作業を終えた後は、ケーシング(機械の組み込み)を行い、点検作業に移ります。

防水試験、精度測定器での点検、巻上点検などを行います。
さらに、精度測定器の測定値と実測では、精度誤差が異なります。そのため作業後1週間程度、ランニングさせ実測値をとります。


ロレックス オイスタークオーツ

3針手巻き・クオーツ

期間:1週間ほど

手巻きのオイスター、オイスタークオーツなど。
クオーツや手巻き時計は、点検項目が少ないので比較的修理期間は短いです。


ロレックス サブマリーナ

自動巻き

期間:1週間~2週間ほど

サブマリーナなど。
自動巻き時計は、正常に自動で巻き上がるか、巻き上げる時間と持続時間を実測します。


ロレックス デイトナ

クロノグラフ

期間:2週間ほど

デイトナ。
クロノグラフモデルはクロノグラフが正常に作動するか、点検が必要になります。
多機能なほど点検項目が多くなり、時間を要します。

調性・再点検 期間:前項のとおり


時計の精度調性・再点検

点検を行い、異常があれば手直しをします。

ケーシング前の測定値に対して、ケーシング後は文字盤や針の取付け等の影響によって誤差が生じる場合があります。またランニングテストによって、大きな誤差が出る場合もあります。

調性後、再度点検作業を行いますのでお時間をいただきます。

最終点検、事務スタッフからの連絡


事務スタッフ

点検作業の後、さらに別の担当者によって検品を行います。
問題が無ければ、事務スタッフによるデータ入力、お客様へ完成連絡をいたします。

他のブランドでは?

時計ブランド別のオーバーホール期間について

時計ブランドごとに、それぞれ期間が長引くケースをあげてみました。

ロレックス オーバーホール 期間

多くの時計は基本的に内部部品は流通があり、内部部品の調達はスムーズです。

しかし、70年代以前のモデルになると流通は少なくなります。このあたりのモデルの場合、内部部品捜索に時間がかかることもございます。

タグホイヤー オーバーホール 期間

自社ムーブメントのキャリバー1887は、部品の調達ができない希少ムーブの為、お時間をいただきます。

ブライトリング オーバーホール 期間

ナビタイマーは、もともと3気圧防水、且つ特殊な回転ベゼルということもあり防水性の回復が難しいシリーズです。長年使用された個体は回復が困難になります。なるべく回復を試みようと、テストを重ねる事があり時間がかかることもございます。

パネライ オーバーホール 期間

自社ムーブメントのキャリバー P.9010は、部品の調達ができない希少ムーブメントの為、お時間をいただきます。
特に3デイズ、8デイズなどロングパワーリザーブの時計は、ランニングテストに時間を要します。

オメガ コーアクシャル オーバーホール 期間

8500系などロングパワーリザーブムーブメントはランニングテストに時間を要します。

オメガ シーマスター、スピードマスター オーバーホール 期間

純正のプッシャーやリューズの取り寄せに時間を要します。

カルティエ オーバーホール 期間

カルティエのクオーツ時計の場合、回路やコイルの調達は、不良パーツと交換が前提となるため、時間を要します。(不良パーツは部品業者に送るため、返却ができません)

ゼニス オーバーホール 期間

他社様で入手困難な部品も、独自ルートによりスイスオーダーが可能です。2.3ヶ月おまちいただく場合があります。

オーバーホールで時間を要するのは…

いかがでしたでしょうか?
ここまで挙げましたようにオーバーホールは、時計が到着してすぐ見積もり連絡・作業ができるものではありません。

部品の確保が可能かどうか問合せる時間、部品発注から到着までの時間。作業後は、実際に時計をランニングさせテストする時間。そして調整・再テストの時間など。 実作業以外の部分に多くの時間を割きます。

腕時計は、4.5年に一度の定期的なメンテナンスを行うことで、交換部品も少なくできる傾向にあり、よってオーバーホール期間の短縮にもなります。

お使いの機械式時計が、4.5年経って、まだまだ動くからといってもそのままにせず、定期的にメンテナンスいただくことをお勧めいたします。

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石田

石田

時計修理専門店オロロジャイオの腕時計修理技師。 アンティークウォッチから高級ブランド時計まで、腕時計の修理に関する情報をおとどけいたします。 趣味:息子と遊ぶ、サッカー/愛用時計:ロレックス エクスプローラー

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