アイアンマンとウルベルクの善意の時計、150,000スイスフランで落札
2018年5月12~13日に行われた、フィリップスのザ・ジュネーブ・ウォッチオークション・セブンにおいて、映画「スパイダーマン・ホームカミング」にてトニー・スターク、アイアンマンを演じたロバート・ダウニーJr.氏が着用したウルベルクのUR-110RGが登場、150,000スイスフラン(約1665万円)にて落札されました。
画像:phillips.com ロバート・ダウニーJr.氏 着用のUR-110RG
アイアンマンの時計へのこだわり
これまで約10年に渡ってトニー・スターク、アイアンマンを演じ続けてきたロバート・ダウニーJr.氏は、GQマガジンの取材に対して語った事がある通り、コンパクトではありますが、様々な時計をコレクションしています。
2017年に公開された「スパイダーマン・ホームカミング」の制作において、ロバート氏はトニー・スタークの為に、アイアンマンのマスクと同じ色のレッドゴールド製のウルベルクUR-110RGの着用を思いつき、映画の小道具係に申し出たといいます。
UR-110RGは、回転するサテライトキューブタイムディスプレイというアバンギャルドな時刻表示システムを備えており、その複雑かつ未来的なルックスは、確かにトニースターク、アイアンマンにぴったりなものといえるでしょう。
画像:urwerk.com UR-110 製品イメージ
既に生産を終了していた時計の手配は簡単ではなかった
当初115,000USドルで売られていたその時計は既に生産を中止しており、ソニーピクチャーズの小道具係はウルベルクに直接コンタクトを試みるしかありませんでした。
コンタクトを受けた側のウルベルクは、当初悪いいたずらか、いたずらでなかったとしても広告費を徴収されるだけだと思い、初めは返事を返すこともしなかった、とウルベルクでコミュニケーションディレクターを務めるヤシン・サール氏はそのときの事を振り返りました。
サール氏によれば、2016年の暮れにスパイダーマンの映画に使う時計を提供して欲しいとの申し出を受けましたが、ウルベルクでは映画会社とのスポンサーシップや有料広告に興味は無いとはっきりと断ったそうです。しかしソニーピクチャーズはロバート氏自身たってのお願いであることを主張してくるもので、最終的にはサール氏自身がアトランタの南にあるパインウッドスタジオまで出向き、ロバート氏に直接時計を手渡すことになった、とのことです。
画像:phillips.com ロバート・ダウニーJr.氏 着用のUR-110RG
当然の様に成功した映画と、ウルベルクと築いた信頼関係
映画で使用された時計は、撮影と映画のプロモーションの終了後にウルベルクに戻されましたが、自らのプロダクトの扱われ方に大変満足したウルベルクは、感謝の意を込めて同一の時計をロバート氏にプレゼントしたそうです。
また映画の撮影に使用された時計は、ロバート氏とウルベルクの同意の下、ハイチの恵まれない人々の為の開発プロジェクトに資金を供給する非営利組織、マヌソダニー基金の支援の為に、オリジナルの箱と証明書と共に、フィリップスのオークションに出品されることになったのです。
幼いころから映画畑で育ち、一時は薬物問題などで苦しい時代もありましたが、その波乱万丈の人生が滲み出るロバート氏の個性的なキャラクターは、まさにアイアンマンそのものになりつつあるように見えます。
そして大成功を手に入れたロバート・ダウニーJr氏自身もまた、アイアンマンそのものになりたがっているように思えてなりません。
ウルベルク Ref.UR-110 RG
ケース: 18金ピンクゴールドXチタン(PVD加工)
ムーブメント: 自動巻 cal.UR9.01(46石)
情報元:phillips.com ほか
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