マーロン・ブランドのロレックス GMTマスター

12月10日 追記

日本円にして約2億1000万円で落札

2019年12月10日にニューヨークで開催されたフィリップスの「ゲームチェンジャー」と題されたオークションにて、映画「地獄の黙示録」の中で主演のマーロンブランドが着用していたGMTマスターが出品され、1,952,000ドル(約2億1000万円)という高額で落札されました。

この「ゲームチェンジャー」は、アメリカのオークションにおいて、初めて5本の時計が100万ドルを超える売り上げを記録しました。
 
フィリップス ゲームチェンジャーオークション
画像:phillips.com

以下、11月15日掲載記事

マーロン・ブランド「20世紀最高の俳優」

オークションハウス フィリップスは。2019年12月10日に開催が予定されているニューヨークにおける時計オークションのフラッグシップ、ゲームチェンジャーに、マーロン・ブランド氏が愛用していたロレックス GMTマスターRef.1675を出品することを明らかにしました。
 

マーロン・ブランドのロレックス GMTマスター ref.1675
画像:phillips.com

ここに繰り返すまでもありませんが、ブランド氏は1950年に「男たち」で銀幕デビューを果たし、「欲望という名の電車」でその名声を世界的なものとして以来、その型破りな演技で多大なる影響を与えてきた、「20世紀最高の俳優」と称される存在。
 
古くは「乱暴者」や「波止場」、そして1970年代には「ラスト・タンゴ・イン・パリ」、「ゴッド・ファーザー」、更には「ミズーリ・ブレイク」、「地獄の黙示録」、「スーパーマン」など、半世紀に渡るキャリアを通じて。多数の歴史的な名作を残してきました。

 

「20世紀最高の俳優」が遺したGMTマスター

この時計は1970年代初頭にブランド氏が購入した私物で、1979年に公開されたフランシス・フォード・コッポラ監督による映画「地獄の黙示録」において、ブランド氏がウォルター・E・カーツ大佐役を演じた際に着用していたもの。
 
その後、この時計は長年に渡って行方不明とされてきましたが、こうして今、フィリップスを通じて再び国際舞台に上がる事となりました。
 

地獄の黙示録 マーロンブランド
画像:phillips.com

「地獄の黙示録」の撮影中に、この時計は見栄えが良過ぎて背景とマッチしないとのスタッフからの指摘があったことから、ブランド氏は自分でベゼルを外して撮影に臨み、その後再び取り付けられることはなかったといいます。

大切な時計を大切な娘に託して

「地獄の黙示録」の撮影から約20年後の1995年、ブランド氏はこの時計を娘のペトラ・ブランド・フィッシャーさんに贈りました。
 
「この時計は戦車のようなもの。望むなら何でも出来るし、決して止まることはない。」
 
2003年、ペトラさんは結婚式の夜、夫のラッセル・フィッシャー氏に彼女の偉大なる父親のストーリーと共に、この時計を贈りました。
 
フィッシャー氏はその時計がいかに尊いものかを知り、家宝として大切に保管することを選び、この時計は15年以上も公にされることなく、静かに眠っていたのです。
 

マーロン、ペトラブランド、ラッセルフィッシャー
画像:phillips.com

「映画史の一部」として

そして2017年。
 
ポール・ニューマン氏が愛用したデイトナが歴代最高額で落札された事を受けて、ペトラさんは父親から受け継いだ時計は特別であり、愛好家達にとっても大きな価値がある事にはっきりと気付いたのです。
 
この時計は映画史の一部であり、マーロン・ブランド氏が映画界に遺した多大なる貢献と大いなる遺産は、正当に賞賛されるべきものなのです。

今回の出品について

この時計は1995年にペトラさんが受け継いだ時のままの姿で託されました。
 
ベゼルは外されたまま、裏蓋にはブランド氏がエングレーヴィング・ペンを使って手書きで掘ったサインが残り、映画の撮影時に使用していたものともまた異なる黒いラバーストラップがフィットされています。

m.brando
画像:phillips.com

 
オリジナルのシェイプとシャープなエッジを残すケース、均一に色付き、欠けのない夜光インデックスと針、ほぼ完全な状態の文字盤、オリジナルのままのリューズと風防。
 
全てはフィッシャー夫妻が大切に保管していたからこその、素晴らしいコンディションを保っています。

ロレックス GMTマスター ref.1675マーロン・ブランドのロレックス GMTマスター ケースシェイプ
画像:phillips.com

 
この時計の売却金額の一部は、フィッシャー夫妻によって設立された事前財団によって、虐待や貧困、または障害のために深刻な状況にある子供達の為に使用されます。
 
ポール・ニューマン氏のデイトナと比較することは出来ませんが、マーロン・ブランド氏の遺した時計もまた、時計ファンのみならず、映画ファンの方達にも計り知れない付加価値を持っていることは確実であり、このオークションがどのような結果を生むのか、世界中から注目が集まりました。
 

2019年12月10日 phillipsフラッグシップ、ゲームチェンジャー
画像:phillips.com

ロレックスGMTマスター ref.1675

落札価格:1,952,000ドル
落札日:2019年12月10日
GAME CHANGERSオークションにて
初期のオーナー:マーロンブランド
製造時期:1972

情報元:phillips.com

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加藤

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