ロレックス廃盤予想 2023年版を公開しました。
ロレックス廃盤予想 2023
ロレックスの廃盤予想は、例年以上にヒートアップ
時計業界において、ロレックス程の大きな影響力を持つメ―カーはそう多くはないでしょう。
特に最近ではスポーツモデルのみならず、カラフルなダイヤルバリエーションを追加してセンセーションを巻き起こしたオイスターパーペチュアルやデイトジャスト、そしてデイデイトに至るまで、現行のラインナップのほぼ全てのモデルにおいて供給不足が深刻化しており、その入手は困難を極めています。
画像:www.rolex.com
そんな中、間近に迫っているはずの新作発表を控えて、世界中の関係者や時計ファンによる新作と廃盤モデルの予想は例年以上にヒートアップしており、様々な憶測が飛び交う中で、廃盤の有力候補と噂されるロレックスは、既に価格が高騰している状況です。
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ムーブメントの世代交代
1980年代末の登場以来、ロレックスの心臓部として活躍を続けてきた3100系キャリバーは、現在においても尚、トップクラスの携帯精度と実用性を持っている事に疑う余地はないでしょう。
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しかし2000年代以降、コンペティター達が次々繰り出してくるようになった「自社製ムーブメント」の数々は、3日間以上のロングパワーリザーブやメンテナンスのインターバルの延長など、様々な革新をもたらし、機械式時計の性能基準をじわじわと押し上げるようになりました。
現在では80時間ものパワーリザーブやフリースプラングテンプを備える高精度の機械式時計が10万円代で売り出されるなど低価格化も進んでおり、もはや精度の高さだけでは差別化は困難な時代であることは誰の目にも明らかでしょう。
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そんな中ロレックスも、新開発のクロナジーエスケープメントをはじめ14件もの特許を所得し、70時間のロングパワーリザーブを誇る新世代ムーブメント、3200系キャリバーへの世代交代を2015年以降、順次進めてきましたが、7年目にあたる2022年3月現在、未だ48時間パワーリザーブの旧世代機、3100系キャリバーを搭載するモデルがカタログに存在しており、遅かれ早かれこれらが生産終了を迎える日が来るのは確実といえるでしょう。
廃盤予想 ミルガウス Ref.116400GV
現役の3100系キャリバー搭載機 その1。
2007年に1950年代の初代モデル、Ref.6541の特徴的な意匠であった「イナズマ型秒針」を与えられて復活したミルガウスは、現在も3100系のキャリバー3131を搭載しています。
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ロレックス ミルガウスの販売価格
その登場当初こそ1000ガウスの磁場に耐える特殊な時計としてその存在価値を際立たせることが出来ていたように思えますが、現在ではオメガの機械式時計の標準仕様となった15,000ガウス以上の磁場に耐える超耐磁性能の前に、余りにもはっきりと見劣りしています。
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しかも2021年にはロレックス勢もチューダー銘にてオメガと同等と思われる耐磁性能を実現し、マスタークロノメーターを所得したブラックベイを発売しているだけに、ロレックス伝統の「耐磁時計」、ミルガウスの威信をどう守っていくのかについて、具体的な回答を発信しなければならない状況に有るといえるでしょう。
ミルガウスはオメガを凌駕する性能を与えられて新世代に移行するのか、それとも再び休眠状態に戻るのか。
画像:kakaku.com
いずれにせよ、現在ミルガウスに熱い視線が集まっており、昨年末からその流通価格は一気に200万円台にまで駆け登るなど、既に生産を終了しているモデルも含めて、非常に不安定な状況が続いています。
廃盤予想 エアキング Ref.116900
現役の3100系キャリバー搭載機 その2。
2016年に突然変異したエアキングRef.116900は、その実ミルガウスのコスメティックチェンジであり、やはりミルガウスと同じキャリバー3131を搭載しています。
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ロレックス エアキングの販売価格
エアキングはミルガウスと共に消えていくのか、リニューアルを受けるのか。それとも独自の路線を与えられるのか。
エアキングも2022年の年明けから急激な高騰を見せており、現在も非常に不安定な状況が続いています。
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廃盤予想 チェリーニ
現役の3100系キャリバー搭載機 その3。
2014年に全面刷新を受けて登場したチェリーニも、全てのモデルに3100系キャリバーが搭載されています。
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チェリーニについてはミルガウスのような争奪戦は起きていないようですが、これもまた、ここ数年のうちにリニューアルを受ける可能性が高いコレクションといえるでしょう。
ロレックスのクロノグラフムーブメントについて
ロレックスによるクロノグラフとして、現在デイトナとヨットマスターIIがラインナップされていますが、これらに搭載されるムーブメントの基本設計は20年以上も前に確立されたものでありながら、その当初から72時間のロングパワーリザーブと垂直クラッチ式のクロノグラフ機構を備える点において、他社と比較してもまだ見劣りするものではないように思えます。
画像:左 cal.4130、右 cal.4161 www.rolex.com
それでも機能的には非常にシンプルに仕上げられているデイトナ、私の個人的な要望をあえて書かせていただけば、スカイドゥエラーで実現した「視認性を犠牲にしていない」年次カレンダーを付加し、コンプリケーションとして進化していくことは考えられないでしょうか。
そうなれば1950年代に製作された通称「キリーモデル」の再来としてセンセーションを巻き起こすに違いなく、想像するだけでワクワクしてしまうのは私だけではないでしょう。
画像:ロレックス キリー 6236 アンティグランデアーカイブ
例年、新作発表は3~4月頃に行われており、今年ももうすぐと思われます。
時として天邪鬼とも思えるような展開を見せるロレックス、今年はどんな動きを見せるのか、期待しましょう。
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