エマニエル・ゲイエ氏のオフショアとスケッチ

エマニエル・ゲイエ氏が所有していたオフショアのオリジナルモデル

2018年11月10~11日に開催されたフィリップスのザ・ジュネーブ・ウォッチ・オークションに、ロイヤルオーク・オフショアのオリジナルデザインを担当したエマニエル・ゲイエ氏自身が25年間所有していたロイヤルオーク・オフショアの初代モデルが当時のオリジナルスケッチと共に出品され、102,500スイスフラン(約1158万円)で落札されました。

エマニエル・ゲイエ氏のオフショアとスケッチ
画像:phillips.com エマニエル・ゲイエ氏のオフショアとスケッチ


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前オーナーの存在が生むプレミアム

ここ数年のオークションを見ていると、時計そのものもさるものながら、前所有者の存在が大変なプレミアムを生む例が多くなっています。

歴代の落札価格を大幅に更新したポール・ニューマンやバオ・ダイはもちろん、ケネディ元大統領夫人やエルビス・プレスリーなど、信頼すべき出所が生む付加価値の大きさには驚くばかりです。

現在ではスポーツラグジュアリーの定番として確固たる地位を築き上げたオーデマ・ピゲのロイヤルオーク・オフショアですが、今回はそのオリジナルデザインを手がけたデザイナー、エマニエル・ゲイエ氏自身が所有していたという、1993年のロイヤルオーク・オフショアのオリジナルモデルが出品されたのです。

エマニエル・ゲイエ氏の25721ST.OO.1000ST.01
画像:phillips.com エマニエル・ゲイエ氏の25721ST.OO.1000ST.01

ロイヤルオーク・オフショアの誕生

1990年代初頭、当時オーデマ・ピゲのCEOを務めていたステファン・ウルクハート氏は、若きフリーランス・デザイナーであったエマニエル・ゲイエ氏に、若い人が身に着けたいものを作って欲しい、との要請を受けました。

若さ故、リスクを取ることを恐れなかったとゲイエ氏は回想しますが、まだ現在程の成功には至っていなかった当時のロイヤルオークの、オリジナルが持つ美点を台無しにしかねない程に分厚く、大きく作り直すという発想を受け入れた当時のオーデマ・ピゲには、これを発想したデザイナー以上に勇気が必要であったに違いないでしょう。

ロイヤルオークオフショア 広告イメージ
画像:audemarspiguet.com ロイヤルオークオフショア 広告イメージ

既成のエレガンスの破壊

実際にロイヤルオークのオリジナルデザインは、スポーティーで立体感に富む意匠を特徴としながら、薄くエレガントに仕立てたことで、高級機としての気品を保ったものであり、そんな繊細なキャラクターをひたすらにマッシブに分厚く作り替えたオフショアが、ロイヤルオークと同じ価格で売れると誰が考えたのでしょうか。

しかし誰もが知る通り、オフショアはコレクションとして定着出来たばかりでなく、サイズ、カラー、素材に至るまで、様々なバリエーションを生みながら、その後のラグジュアリースポーツウォッチの象徴的存在として、時計業界に多大なる影響を与え続ける存在となったのです。

ロイヤルオーク オフショア 25721ST.OO.1000ST.01
画像:audemarspiguet.com ロイヤルオーク オフショア 25721ST.OO.1000ST.01

エマニエル・ゲイエ氏のロイヤルオーク・オフショア

今回出品された1993年製のロイヤルオーク・オフショアは、初期のモデルならではの意匠の数々を持ちながら、実際に愛用され、全体にそれなりの経年変化がみられるもの。

ただその所有者が、このオフショアをはじめにデザインすることで、その後の25年の腕時計のトレンドを決定付けたデザイナー、エマニエル・ゲイエ氏であったということです。

エマニエル・ゲイエ氏のオフショアとスケッチ

ロイヤルオーク・オフショアの25周年

2018年、オーデマ・ピゲはロイヤルオーク・オフショアのオリジナルを復刻したref. 26237ST.OO.1000ST.01を製作して、その25周年を祝いました。

搭載するムーブメントを現行のものに改めた関係でケースがオリジナルより若干厚くなっていますが、その意匠はかなり忠実に再現されています。

復刻モデルという分野もすっかり定着した感が有りますが、ここ10年位のうちに登場した様々な復刻時計は、写真で見る分には雰囲気があっても実際に手に取ってみるとその際立つ巨大さに驚いてしまったことも少なくありません。

それらのほとんどは時代性や現行モデルのサイズに配慮してデザインされたものと思われますが、オフショアにはそんな心配は不要です。

今改めて復刻モデルを手に取ると、25年前のデザインが如何に驚異的なものであったのか、そんなことを改めて思わざるを得ないのです。

右 ロイヤルオーク オフショア 覆刻モデルref.26237ST.OO.1000ST.01
画像:audemarspiguet.com 左:オフショア1st、右:オフショア 覆刻モデルref.26237ST.OO.1000ST.01

ロイヤルオーク オフショアRef.25721ST.OO.1000ST.01

製造時期:1993年
ケース:ステンレススチール
ムーブNo:369’370
ムーブメント:自動巻 cal.2226/2840 (54石)

 
 
情報元:phillips.com、audemarspiguet.com ほか

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加藤

加藤

時計買取専門店アンティグランデ WEBサイトの運用担当。 時計の相場や、新作など、お客様のお役にたてる情報を発信できるようこころがけております。 愛用時計:オメガ スピードマスター/趣味:カメラいじり

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