モナコ筋ジストロフィー協会を2001年の創設以来支援しているブランパン。これまでに引き続き2021年の“ONLYWATCH”にも参加が決定しています。
提供されるユニークピースは“フィフティ ファゾムス ノーラディエーションref.5008E-1130-B64A”。特徴は文字盤に刻印された「no radiations（放射性物質不使用）」のロゴです。
フィフティファゾムス“no radiations”
1953年に誕生したフィフティファゾムス。フランス海軍の要請に応える形で誕生しました。 夜光処理（当時はラジウム）、自動巻機構、防水ケース、回転ベゼルという、その後の“ダイバーズウォッチの規範となった腕時計”とされています。 フィフティファゾムスは、実用性・堅牢性から他国の海軍や、民間のダイバーにも広がる事となります。
軍に供給していたフィフティファゾムスは、明るさの強いラジウム夜光が用いられていました。しかし60年代、労働災害などの問題から、夜光に用いられていたラジウムはトリチウムへと移行が進んでいきます。 同社は、軍供給用のラジウムを用いたモデルとは別に、一般販売するフィフティ ファゾムスについては、ラジウムは使用していない事を明示するため、文字盤に目立つように“no radiations”と入れられたモデルを展開しました。
画像：www.christies.com フィフティファゾムス ref.RPG1ドイツ軍モデル
一方、軍への供給品の仕様であったラジウム夜光ですが、ドイツ軍への供給モデルにおいては“no radiations”モデルが確認されています。この、ドイツ軍供給の“no radiations”モデルは、流通量が少ないことから人気の高いアンティークとなっています。
今作“フィフティ ファゾムス ノーラディエーションref.5008E-1130-B64A”は、この1960年代にドイツ海軍の潜水戦闘部隊が使用した“トリチウム”のフィフティファゾムスをイメージしたモデルとなっています。
フィフティ ファゾムス ノーラディエーションref.5008E-1130-B64A
ダイヤルを見ると、オリジナル同様マットブラックの文字盤にラジウム夜光を思わせるダイヤ型とドットの厚みあるインデックス、立体的な針、6時位置の“no radiations”アイコンが特徴的です。
またプラ風防をイメージしたドーム型のサファイア風防に、現行モデルの特徴であるベークライトベゼルをイメージしたベゼルなど、初期モデルの形状・特徴を大切している点にメーカーの堅実さが感じられます。
なお、インデックスやアイコンなどの基調とされているオレンジ（ルミノヴァ）は、第9回“ONLYWATCH”のテーマカラー。
やや淡い色合いに調性している点も好感が持てます。
cal.1154
搭載する機械は、自動巻ムーブメントcal.1154。ツインバレルによって100時間パワーリザーブとなっています。ケース背面はトランスパレントとなっており、ジュネーヴァコートなど丁寧に磨かれた機械と、“ONLY WATCH”と刻印されたブラックNACコーティングゴールドのローターを眺めることが出来ます。
防水性能はプロユースの300m防水。ストラップには、初期モデルと同様のトロピカルストラップが採用されています。
創業1735年という誕生時期が最も古い時計メーカーであり、現在にいたるまで機械式時計だけを発表し続けてきたブランパン。堅実さからか、オイスターシリーズ同様に大きな変更がされないシリーズですが、昨年のONLYWATCH同様、こうした少しの“遊び”に大きな新鮮さを感じさせます。
フィフティファゾムス“no radiations”5008E-1130-B64A
防水性能：300M
パワーリザーブ：100 時間
製造数：世界限定1本
情報：blancpain.com
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