エタ(ムーブメント)の魅力

今、改めてETAムーブメントベース機のメリットを探る

ETAの歴史」で触れた通り、ムーブメントメーカーは一般消費者をマーケティングの対象とする事が無い為に、それらに対するイメージは、先入観の時点で停止していることが多いようです。

特に1980年代から2000年代にかけて、独占的なシェアを占めてきたETAムーブメントについては、良いイメージが先行することが少ないように見えます。

ETAムーブメントベースの時計

しかしETAは20世紀にスイス時計産業が生み出した、ムーブメントに関するありとあらゆる技術や特許の集大成にほかなりません。

ここではそんなETAムーブメントベース機の、これまであまり語られることのなかったメリットについて、考察してみましょう。

ETAムーブメントのメリット

1.信頼性の高さ

ETAという会社の成り立ちから分かる通り、その成果物であるムーブメントはスイスの時計産業が育んできた良質な遺伝子の塊であり、かつ現在も生産が続けられている主力ムーブメントの多くは、1960年代から1970年代にそのルーツを持っています。

ETA
画像:www.eta.ch

そしてそれらのムーブメントは誕生以来、長期に渡って数えきれない程の時計メーカーによって使い続けられ、ETAにはそれぞれのムーブメントに関するありとあらゆるデータが大量に蓄積され、起こりうるあらゆるトラブルへの対策が重ねられてきたはずです。

ETAの主力ムーブメント程、熟成が進んだムーブメントは他にないといえるでしょう。

2.メンテナンス性の高さ

これも容易に想像がつく通り、常に身近な存在であるETAの主力機種たちは、世界中の時計師や修理職人達にとっても、大変になじみの深いものであるはずです。

同じエボーシュをベースとしたとしても、メーカーが異なれば異なるパーツがそれなりに組み込まれているのが常ですが、その構造まで変えてしまう時計メーカーはあくまで少数派です。

時計のメンテナンス

ですから仮にその時計を製作した時計メーカーが存続していなかったとしても、ETAのムーブメントをベースとしていることで、ムーブメントに関しては今後も長期間に渡って良質のメンテナンスを受け続けることが可能になるはずです。

3.コストパフォーマンスの高さ

先述の通り、ETAのムーブメントは技術的な問題に対する回答の全てが用意されていることから、そのコストパフォーマンスについても、他社には再現不能なレベルにあると考えるべきでしょう。

ちなみにほぼすべてのETAのムーブメントには品質の異なる4つのグレード、スタンダード、エラボレート、トップ、クロノメーターが用意されており、メーカーは用途に合わせて自由に選ぶことが出来ました。

オプションの付加機能も豊富で、その為の様々な部品やモジュール等が用意されていただけではなく、ラ・ジュー・ペレをはじめ、ETAムーブメントの改造を専門的に行うムーブメントメーカーまで存在していました。

エタと自社製造ムーブメント
画像:www.rakuten.co.jp

これらの豊富な選択肢がもたらす恩恵によって、時計メーカーはムーブメントの開発にリソースを割く必要がなかったのです。

その恩恵は多かれ少なかれ、販売価格に反映されるはずですし、もちろん中古市場の流通価格にも反映されるはずです。

多くの時計メーカーが自社製ムーブメントに重きを置くマーケティングを展開して注目を集める中、比較的安価に購入可能なETAムーブメントベースの中古時計は、今こそが狙い目なのかもしれませんね。

ETAの主力機

ここでETAによる主力機についても触れておきましょう。ここでは最も一般的と思われる3種類を取り上げます。

1、2824-2

eta2824-2
2824は1971年初出。1983年に改良版2824-2が登場。

世界で最も普及した自動巻ムーブメントで、厚さが4.6ミリありますが、その分タフな構造を持っています。

ボールベアリングで支持する自動巻ローターを備えるほか、上位グレードではエタクロン緩急針やグルシデュールテンプ等を備え、クロノメーターチューンも充分に可能な高い基礎体力を持っています。

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2、2892A2

eta(エテルナ)2892A2

1963年初出のエテルナのCal.1466を改良した2892が1975年に登場、
1983年に2892の28ミリ径を25.6ミリ径に改めて2892-2へ、1999年には巻上げ機構等を改善して2892A2へと進化しました。

厚さ3.6ミリと比較的薄いのが特徴。自動巻ムーブメントの上位機種としてIWCやオメガをはじめ、ミドルレンジを中心として広く採用されてきました。

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3、7750

eta(バルジュー)7750
1973年にバルジューが発表したのがはじまり。

コンパクトなスイングピニオン式クロノグラフ機構と、シンプルな片方向自動巻機構を採用することで実現した自動巻クロノグラフ。

その理に適った主輪列の設計は高精度が期待できる上に、頑丈でしかも安価であったことから、最も広く普及した自動巻クロノグラフとなりました。

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以上3機種は、ETAがスウォッチグループ外の供給制限を行っている現在も尚、高い需要を誇っていますが、その代替としてセリタのSW200、SW300、SW500などをはじめとするクローン・ムーブメントが広く普及し、時計産業を支えています。

セリタ SW200、SW300、SW500
画像:www.sellita.ch

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加藤浩二

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